不妊カウンセラーコラム

海外不妊治療の日本との違いとその実態とは?【不妊治療経験カウンセラーvol.18】

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海外での不妊治療を考えたことはありますか?

仕事の関係で海外赴任になったり、憧れの国に移住したり、海外で生活する日本人は多くなりました。

それに伴い、海外で不妊治療をする方またはしようと思っている方も増えてきています。

海外の不妊治療の流れや費用、保険などはどうなっているのでしょうか。

アメリカの不妊治療

アメリカの場合、国としての保険がないので様々な保険の中から自分で選択しなければなりません。

また、州によっても保険の対応が違ってきます。

ケースバイケースですが、日本の不妊治療費用の約3倍は必要だといわれています。

体外受精3回で10%割引、などのように割安なセットメニューなどを設けているクリニックも多いようです。

ただし、運よく1回で授かったとしても3回セットの料金を払わなくてはならないようですが…

 

フランスの不妊治療

フランスでは不妊は疾病とみなされ、国の保険で治療費をまかないます。

収入の多少に関わらず、男女両方が検査を受け医師に治療が必要だと認められれば、申請して無料で不妊治療を受けられるそうです。

治療費以外の薬代などは有料ですが、それは任意保険やミチュエルという互助保険で支払うことができ、保険でカバーしきれない分は自分で支払うことになります。

フランスで治療をしたことがあるAさんは採卵と移植で約400ユーロ(約48000円)ということなので、日本の治療費と比べるとかなり費用を抑えることができます。

ただし、体外受精は女性が43歳の誕生日前日までで4回まで、人工授精が6回までと定められています。

また、フランスでは男女そろって検査を受けないと治療を進めることができません。

不妊は女性特有の問題ではなく男女両方の問題という考えから、カルテもカップルで1つ、カップルが解消されるとカルテは無効になるそうです。

韓国の不妊治療

韓国では保険はありませんが所得に応じて助成金が出るようです。

人工授精については3回、体外受精については3~4回まで助成を受けることができます。

医師の診断を受けた人や婚姻している夫婦が対象で、申請日の女性の年齢が44歳以下などの条件があります。

もし助成金を受けられなかったとしても、日本の半分程度の費用で治療を受けることができます。

どの国で不妊治療するにしても発生する問題

どの国で不妊治療をするにしても、言葉の壁は避けて通れません。

専門用語が多くて日本語でも理解するのに時間がかかる不妊治療の説明。

ただでさえナーバスになっているのに、何を言っているのか理解できなかったらストレス倍増ですね。

通訳を頼める場合もあるようですが、費用はそれなりにかかりますし通訳のいないクリニックも多そうです。

治療をする国の言語に自信のない方は、かなりの覚悟が必要になりそうです。

海外における不妊治療のケース

B さんはなかなか子供ができないので不妊治療をしようかと思っていた矢先にご主人の海外赴任が決まってしまいました。

ご主人と一緒に海外に行って現地で治療を受けようかとも思いましたが、言葉の壁が立ちはだかりました。

日本語で説明を聞いても専門用語や曖昧な表現が多く理解するのに時間がかかります。

英語が苦手なAさんは、説明を理解して医師とコミュニケーションをとる自身がなかったので不安で不安で仕方なかったそうです。

よくよく考え、ご主人と相談を重ねた結果、日本のクリニックで不妊治療を受けることにしました。

検査は2人で受け、その後ご主人の精子を凍結しました。

凍結しておけばご主人が日本にいなくても人工授精も体外受精もできるのです。

治療をしている時期にパートナーが近くにいないと精神的に不安定になるかもしれないというデメリットはありますが、日本語で納得のいくまで説明を受け、安心して治療を受けられるメリットを選んだのです。

 

 

Bさんのように日本に残って不妊治療を受けたいという方もいるでしょうし、言葉はよく分からなくてもご主人と一緒にいられるほうが安心、という方もいるでしょう。

選択肢は数多くあります。様々なケースを想像してみて、2人にとって最適な道を見つけてくださいね。

 

(参考サイト『不妊治療の情報館』、『NHK生活情報』、『たまGoo』)

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