不妊カウンセラーコラム

自分の歩んだ選択を後悔しないために【不妊治療経験カウンセラーvol.25】

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「これでよかった」と思える選択

数年前に不妊治療についてご相談を受けていたAさんと、先日久しぶりにお話しました。

Aさんは数年にわたり不妊治療を続けています。

ご主人の検査をしたところ、精子がとても少なく精液からは採れにくいということでした。そのため精巣内精子回収術(TESE)という、精巣を大きく切開して精巣内から精子を回収する手術をしようということになったのですが、当時通っていたクリニックではTESEを受けられませんでした。

TESEを実施している別のクリニックに転院して手術を受け、無事精子を採取できたそうなのですが、今度はAさんの卵子が育ちにくいという現実にぶつかってしまいました。

1年前、2年前に転院前のクリニックで卵子を採取した時よりも数も少なく、質もおちていることに焦りを感じているそうです。

Aさんは現在30代後半、あと数年で40歳を迎えようとしています。

妊活には時間に限りがあるのであと数年は治療に専念したいと思い、この春長年勤めていた仕事を退職して漢方なども取り入れてみるつもりだということです。

「もうタイムリミットが迫ってるから、今自分にできることをできる限りやりたい」とおっしゃっていました。

 

人によって「これでよかった」と思える選択は違うと思います。

不妊治療を続けるために仕事を辞めたとします。

運良く子供を授かって、仕事を失ったのは痛いけど自分の選択に満足する人、子供を授かったけれど仕事を辞めた事を後悔する人、または子供を授からなかったけれどやるだけやったから悔いはないと思う人…

逆に、仕事を続けるために不妊治療を辞めたとして、不妊治療に専念していれば子供を授かってたかもしれないと後悔する人、子供を授かったけれど育児の大変さに「こんなはずじゃなかった」と思う人、子供は授からなかったけれど仕事を続けたことに誇りを持っている人…などなど。

何かを選択するということ

仕事も子供も、すべてが手に入れば1番だとは思いますが、優先順位をつけなければならないこと、どちらかを選ばなくてはならないことが少なからずでてきます。

妊活に限らず、人生は選択の繰り返しですね。

同じ選択・同じ結果だったとしてもどう感じるか、納得できるかどうかは人それぞれ違うことでしょう。

 

あなたにとって理想の人生はどんなものですか?

10年後、20年後、どんな生活を送っていたいですか?

1度じっくり未来の自分、なりたい自分を想像してみてください。

未来のイメージが鮮明なほど、今の自分が選ぶ道や今の自分ができることがはっきりと分かることでしょう。

それが不妊治療でも仕事でも、自分の選択を信じて、焦らずコツコツと今の自分にできることをしていけばいいのだと思います。

妊活の結果がどのようなものであっても、後悔だけはしてほしくありません。

自分でよく考えて選択し、やってきたことを認めてあげられる自分でいてほしいのです。

「大満足!」とまでは言えなくても、「まあまあだよね。」というくらいは思ってほしいのです。

 

先ほどお話したAさんですが、焦らず、卑屈にならず、淡々と治療に専念して、治療の他に何かできる事はないかと情報収集し、実際にいろいろな事を試しています。

妊活の結果がどうであっても、Aさんはきっと自分の歩んできた道に納得し後悔することなく、その後の人生を生きていけるでしょう。

妊活という期間を終えた後、「ああすればよかった…」という後悔ではなく、「これでよかった。」と納得できるよう、自分にとって最良の選択をしていってくださいね。

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