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『患者力』とは「自分が納得のいく医療を受けるための力」
『患者力』 聞いたことはあるでしょうか?
『患者力』とは、ひと言でいうと、「自分が納得のいく医療を受けるための力」のことです。
妊活中、不妊治療をする方は沢山いますが、最良の治療を受けるためにも『患者力』を身につけてほしいと思うのです。
女性医療ジャーナリストの増田美加さんが特に大事だと思う『患者力』とは、
・医師と向き合う前に、病気の“知識”を得る
・自分の意思や希望を医師にはっきりと伝える
・検査や治療過程のどこにいるか、自分のポジションを把握する
・治療の疑問、不安は医師や病院のスタッフに直接聞く
・“どうしても”のときには、病院や医師を変える勇気を持つ
ということだそうです。
私も治療を経験してきて、不妊や不妊治療の正しい知識を身につけて、疑問や不安を質問できていれば、必要以上に不安になったり涙したりということが少なかったのにな…、と思います。
まさに『患者力』が足りなかったのですね。
私以外にもそんな経験をされた方がいます。
仕事に追われながら1年ほどタイミング法を続けたAさんの場合
仕事をしながら2人目の不妊治療を受けていました。
仕事や家事、育児に追われ、忙しい中での通院でした。
検査をひと通り受け、タイミング法の治療からスタートしました。先生が「次はいつ頃来てください。」と言われた時に通院する、という生活がしばらく続き、気がついたら1年近く経っていたそうです。
先生からは特に人工授精の提案などはなかったそうです。
いつまでタイミング法が続くのかと思い調べたところ、一般的には半年ほどタイミング法で結果が出なかったら人工授精にステップアップするという事を知り、ショックを受けたそうです。
Aさんは仕事や育児でとても忙しい中での不妊治療だったので、不妊治療について調べる余裕がなかったのかもしれません。
通っていたクリニックも不妊専門ではなかったので、患者の方から「ステップアップしたい」と言わない限り、先生からは人工授精をすすめてこない、というスタンスのようでした。
でも、スマホで10分もあればタイミング法について知ることはできるのです。
もし最初にその事を知っていたら、もっと早いタイミングで「ステップアップしたい」という意思を先生に伝えられていたでしょう。
診察時にした質問に対して冷たい態度を取られたBさんの場合
不妊治療をしようかどうか1年ほど迷った末、勇気を出して初めて不妊治療クリニックを訪れました。
いろいろな検査をした後、先生の診察の時に疑問に思う点を質問しました。
すると、「それは調べれば分かることでしょう。」と言われただけで説明してくれませんでした。
その言い方や態度にとても冷たい印象を持ったそうです。
それ以来、疑問点や不明点があっても先生に聞きずらくて質問は極力控えるようにしていました。
半年ほど通ったものの、最初の頃に感じた苦手意識が消えず、転院したそうです。
私もそうでしたが、初めて不妊治療のクリニックに足を踏み入れるのは勇気がいることだし、とても緊張することです。
そんな時に先生にそっけない態度をとられると、ものすごく冷たいように感じてしまうのだと思います。
いつもの精神状態なら気にならないことでも、不妊クリニックという特殊な施設の中では誰でもナーバスになって当然です。
Bさんの場合、先生に質問した内容は不妊治療の基本中の基本といえるものだったそうです。
先生にしてみれば「そんなことも知らないのか。」と思ったのでしょうね。
知識が足りなかったために悲しい思いをしてしまいました。
不妊治療の流れや使用する薬はどのクリニックでもだいたい決まっていますが、
「薬は最小限に抑えてほしい」
「この治療はせずに次に進みたい」
など、自分はこうしたい、という希望があったらはっきりと伝えましょう。
希望が通らないかもしれませんが、本当は「こうしたいのにな。」と思いながら治療するよりよっぽど納得がいくと思います。
これから不妊治療を考えている方も治療中の方も、充実した納得のいく不妊治療を受けられるように、そして心や身体の負担を減らし少しでも快適に治療を受けるために、ぜひ『患者力』を身につけましょう。
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