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不育症とは?
妊娠するけれど、流産や死産を繰り返し、結果的に子どもを持つことがない場合を“不育症”と言います。
習慣流産と呼ばれるものもほぼ同じ意味ですが、子宮内で胎児が亡くなること、早産・死産を繰り返すことも含まれます。
一般的に、連続した流産・死産が2回あれば“不育症”と診断されるといいます。
妊娠を望んでいてもなかなか妊娠できず、子どもをもてないことを不妊症と呼ぶのに対し、妊娠するが胎児が育たず子どもがもてないのが不育症でしょうか。
初めての妊娠で流産する可能性
初めての妊娠で流産する可能性を知っていますか?
その確率、10~15%もあるのです。そして、その半分以上は胎児の染色体異常によるものだとされます。
100人のうち、10~15人いるので低いとはいえない可能性です。
妊娠した女性の4割が流産の経験があり、流産を繰り返す不育症も16人に1人の割合でいることが、厚生労働省研究班による初の実態調査でわかっています。愛知県内で健康診断を受けた一般女性(35~70歳)503人から回答を得た調査です。
流産は、子どもが子宮内でうまく育たなくなるために起こるものと考えられます。いくつか理由は考えられますが、その理由のひとつに、ホルモンの分泌の変化があります。
このホルモンの分泌はストレスの影響を受けやすく、流産や死産を繰り返した女性にとって次の妊娠に対する心配や周囲の声へのプレッシャーなどが大きな負担になることもあります。
不育症を引き起こす原因
不育症を引き起こす原因とされるものが以下のようにあります。
・染色体異常
夫婦どちらかにもしくは両方に染色体異常があれば一定の確率で引き継がれる。
・子宮形態異常
子宮の形状に元々異常がある、または子宮筋腫などにより、赤ちゃんに栄養がうまくいかず流産する場合も考えられる。
・内分泌異常
黄体機能やプロラクチン、甲状腺ホルモンの分泌異常も流産に影響することが考えられる。
・凝固因子異常
血液中の凝固因子に異常があると血栓が出来、出来た場所が胎盤内だと胎児に栄養がいかず、流産や死産を招くことも。
・抗リン脂質抗体
自己免疫の異常で血栓がつくられやすくなってしまう。
・拒絶免疫異常
妊娠した胎児のパートナー由来の部分に拒絶反応を起こし、異物として認識・流産にいたる。
・ストレス
不育症だけでなく、心身のトラブルに大きな影響を及ぼすストレス。不育症によって赤ちゃんを亡くした人にとって罪悪感などで精神的に追い詰められてしまうことも。
不育症と診断されたら
不育症と思われる流産の後、次回の妊娠に向けて何が出来るのか?そこからが不育症の治療の始まりです。危険や不安に対して出来る限りの予防を行っていきます。
大切なことは診断を受けた後、流産や不育症に対して正しい知識を持ち、理解することです。
たとえ、不育症という診断がでても適切な治療を受けることで80%以上は出産することができるという調査報告もあります。
厚生労働省においてもフイクラボという不育症の治療などの情報を公開しています。
一度こちらをチェックするのもオススメです。
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妊娠応援団編集長
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